南米ペルー共和国でナスカの巨大な地上絵に新たなものが発見されました。
丘の斜面に描かれた巨大な4本足の動物が見て取れます。画面の右側の上部に正面を向いた顔、横向きの身体やしっぽが丘の麓に伸びたネコ科の動物が描かれているようです。
南米・ペルーで、新たな「ナスカの地上絵」発見とは?
ペルーの文化省は2020.10.16、世界遺産の「ナスカの地上絵」の保全作業をしている考古学者らが、幅37メートルの新たな地上絵を発見したと発表しました。
ペルーの考古学者のグループによって発見された「ナスカの地上絵」は斜面に描かれた巨大な4本足の動物でした。
全長は37メートルに及び、風による浸食などでほとんど消えかけていたところを発見されたのです。
これまでに知られている地上絵より古い時期のもので、急な斜面に描かれていたため自然の浸食でほぼ見えない状態だったということ。
ペルー文化省によりますと、この地上絵は「ネコ科の動物」を表していて、描かれ方が紀元前5~8世紀のものとみられています。
文化省の担当者は、ドローンなどの技術の発展により低い高度からの撮影が可能になったことで、今後まだ新たな地上絵が見つかるだろうと話しています。
「ナスカの地上絵」はどこにあるの?
「ナスカの地上絵」があるのは、南米・ペルー共和国のナスカ川とインヘニオ川に囲まれた一帯にあります。
乾燥した盆地状の高原となっていて、その地表面に幾何学図形や動植物などをモチーフにしたデザインの地上絵が描かれています。
ペルー南部の荒涼とした海岸線の大地に刻まれるナスカの地上絵はペルーが誇る世界遺産の1つとなっています。
ナスカの地上絵はなぜ消えないのか?
写真提供:ANN NEWS
およそ2000年以上も前に描かれた「ナスカの地上絵」が、現代まで消えずに残っているのは不思議ですね?
その理由を探ってみました。
1. 雨が降らないことが1番の大きな理由
実際ナスカに行かれた方のお話ですと周りは木が1本も生えておらず、どこまでも黄土色の大地が続いていて、持ち物リストに傘はないとか。ナスカに住んでいる人は家にも傘をおいていません。1年中通して雨が極度に降らない砂漠地帯のようです。
2.なぜナスカの大地には雨が降らないのか?
ナスカの地上絵が描かれた大地は50㎞先に太平洋があり海の海水が上昇し雲になります。通常、雨雲をつくり雨を降らすのですが、砂漠気候で上空の気温も高く900mの高さで23℃あり上昇気流が起こらず雨雲が出来ないようです。
水蒸気は上昇せず「霧」という姿になってナスカの大地を覆うと言われています。
細かい霧に覆われ描いた線が消えにくくなっています。
砂には石膏の成分である硫酸カルシウムが含まれていて霧と混ざると石が土台と合わせてより固くします。
3. 砂の蓄積を防いでいるのは何か?
平均気温は25度で日中は25℃~30℃までの気温が上昇し物凄く暑いようです。
日中の強い太陽の光が大地や岩石を照らし地面の温度が上昇します。それにより、地面から上空まで1mぐらいの暖かい空気層が出来るのだとか。
南から北に抜けていく風で、温められた空気層が大地のカーテンのような役割をしてくれていて、砂の蓄積を防いでいるそうです。
4. マリア・ライヒェさんの保護活動
ドイツ出身の数学者、考古学者であるマリア・ライヒェさんの保護活動のおかげであると言われています。
おわりに
ナスカ文化時代の人々は付近一帯の中でも消えにくい場所を選んで描いていたということもその後の分析によって判明しました。
なぜ消えないのかというと、それには乾燥地帯ならではの気候が理由のひとつに挙がっていました。
ペルーのナスカの地上絵一帯の地域は、年間雨量が5ミリ程度。乾燥しているため、雨風の影響が少ないことで現在まで自然の大地にそのままの状態で保存されているのです。
当時の人々の思い・知恵と労力や保護活動のおかげで、現在も素晴らしい地上絵を観ることができているのですね。