冬は入浴事故が急増します。数年前に母を亡くした悲しい思い出があります。寒いこの時期は特に気をつけたい入浴ですが安全対策をしていますか?
冬の安全な入浴習慣のために6つのポイントもご紹介します。今日からお風呂の入り方を見直してみませんか?
冬のお風呂の入り方の見直し
入浴には湯船に浸かるだけで得られる三つの作用があります。
温熱作用
温かいお湯によって血管が拡張し温まった血液が全身を巡るので、新陳代謝が活発になり疲労物質や老廃物が除去されて疲労が回復されます。神経の過敏性が抑えられ痛みを抑える効果もあります。
水圧作用
水圧が身体全体にかかります。 特に足や腰といった心臓より下にある部分の静脈やリンパ管を圧迫することにより心臓に血液が押し戻されやすくなり血行が促されます。
浮力作用
お湯に浸かると浮力によって体重は1/10程度になります。そのため空気中で体重を支えたり姿勢を維持するために緊張していた筋肉や関節への負担が軽減され緊張がほぐれます。
冷えた体を芯から温める入浴法5
寒い戸外から帰ったらお風呂に浸かって体を温め心身をリフレッシュしましょう!
1.お湯の温度はぬるめがおすすめ
熱いお湯に入ると体温はすぐに上がりますが長続きしません。それよりも40℃ぐらいのぬるめの湯にじっくり入る方がゆっくり体温が上昇し体の芯まで温かくなります。
2.全身浴で肩まで浸かる
半身浴だと温熱作用の効果は半減します。水圧作用や浮力作用も全身浴の方が強く働きます。
心臓や肺などの病気がある場合は全身浴だと負担がかかりすぎることがあるので医師に相談をしましょう。
3.トータルで10分から15分浸かる
湯船に浸かる時間の目安はトータルで10分から15分にします。おすすめは温冷交代浴です。
40°c程度のお湯で3分間全身浴し湯船から出て約30°cのシャワーを手足に3分ほどかけます。これを3回繰り返します。
4.入浴剤を上手に利用する
硫酸ナトリウムや硫酸マグネシウムなどを含む入浴剤は皮膚表面に膜を作り、体熱の放散を防ぎます。炭酸ガス型入浴剤は、皮膚から吸収された炭酸ガスが血管を広げて血行を促進します。
5.湯冷めに注意する
お風呂から上がったら乾いたタオルで体の水分を完全に拭き取りましょう。
体に水分がついたまま外気に触れると、気化熱で体温を奪われて湯冷めをします。濡れた髪もしっかり乾かしましょう。
寒い冬はヒートショックにご用心!
急激な温度変化により血圧が上下したり脈拍が変動するヒートショックが起こります。
入浴時だけでなく温かい部屋から寒いトイレに行ったときや新聞を取ったり洗濯物を干したりするために着込まずに家の外に出た時などに起こりやすいので要注意です。一枚羽織って外へ出ましょうね。
冬の安全な入浴習慣のために6つのポイント
1.食事の直前直後の入浴は避ける
お風呂に入ると血液の多くは皮膚表面に運ばれ、胃や腸に回る血液が少なくなります。
そのため食事の前後にお風呂に入ると消化不良を起こしやすくなります。最低でも30分程度は時間をあけて、飲酒後の入浴も避けましょう。
2. 早めの時間に入浴
家人が寝静まってからお風呂に入るとヒートショックなどで意識を失って溺れたりしても誰も気づかず発見が遅れてしまうことがあります。
家人が起きている早めの時間に入ると安心です。一声かけてから入浴すると良いでしょう。
3.入浴前に脱衣所、浴室を温める
脱衣所や浴室の室温が低いとヒートショックの要因になります。入浴前に脱衣場温めておく、お風呂の蓋を開けたまま湯を張るようにします。
シャワーで熱い湯を浴室の壁にかけるなどして、脱衣所や浴室を暖めておきましょう。
4.入浴前後にコップ一杯の水分補給
1回の入浴で800ミリリットルほどの水分が失われるとの研究報告があります。水分が失われると血液の粘度が上がってドロドロになり血栓ができやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞の入院になってしまいます。
入浴前後に必ずコップ一杯のお水を飲んでおきましょう!!
5.かけ湯をしてから湯船に入る
早く温まりたい!といきなり湯船に浸かると血圧の急上昇を招きますよ。入浴前に必ずかけ湯をする習慣づけをするようにします。
心臓から遠い足先から始め、下肢、腹部、そして肩という順にかけ湯を充分に行ってから湯船に浸かるようにしましょう。
6.熱すぎるお湯に入らない
熱いお湯は交感神経を刺激します。皮膚の血管が反射的に縮み、鳥肌が立ったり体が震えたりして血圧や心拍数が急激に上がります。
のぼせて熱中症のような状態になることもあるようです。また42°c以上の熱い湯は皮膚の乾燥を早めます。
関連記事 >>> カビ退治は熱湯50度以上で死滅!まさか!やってはいけないこととは?
使い捨てマスクを何回か使う?1回ぽっきりで捨てる?正しい使い方は?
おわりに
冬は温かいお風呂が嬉しい季節です。しかしお風呂の入り方を間違えると危険です。
入浴に関連して亡くなる人は年間約19000人と推定されて冬に集中していると言われます。安全な入浴法を知って大切なご家族を守ってくださいね。ご参考までに。
人気記事 >>> やせ体質の作り方は?筋トレに加えて肝臓と脳のケアが重要なの?