人気漫画「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」の主人公が持つ黒刀と似ていると話題になっているのが、たたら製鉄で生産された「玉鋼」を使った黒い刀。
1300年の伝統が息づくたたら製鉄の技法でつくった最高級の鋼「玉鋼」から、珍しい黒色の日本刀が完成したのです。
現在、珍しい黒色の日本刀は島根県奥出雲町横田の「奥出雲たたらと刀剣館」で展示され、若い女性たちを引きつけています。
奥出雲たたら製鉄産の玉鋼とは?
2020年9月19日から11月23日までの日程で「奥出雲たたら展2020」の企画展が開かれています。
会場中央に展示されているのが話題の日本刀です。
「月下の笹(ささ)」と名付けられた黒い刀は、東京都在住のデザイナー、島村卓実さん(57)が奥出雲町の景勝地「鬼の舌震(したぶるい)」で夕方に見た黒く光る笹から着想し、富山県の刀鍛冶、高田欣和さん(46)が玉鋼を打って刀にし、その後、同県高岡市の金属加工会社が特殊加工技術で黒染めして完成しました。
刀は鬼の舌震に植生する笹の葉脈をイメージし、峰が丸みを帯び、右側面にだけ葉脈のようなみぞが彫られています。
金属を酸化させて黒く染める特殊加工技術を刀に応用。見た目が黒くなるだけでなく、耐食性も向上していると云われます。刀身は93センチあります。
包丁や扇、刀のつばといった玉鋼で生産した品々をブランド認定する町の事業「奥出雲たたらブランド」の一環として、2016年に制作が始まり、2019年に完成しました。
「玉鋼」は島根県奥出雲町が、各地のデザイナーや刀匠とともに3年がかりでつくったものです。
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鬼滅の刃 炭治郎の日輪刀とは?
日輪刀(にちりんとう)とは、太陽の光以外で鬼を倒すことができる唯一の武器で、鬼殺隊の基本装備の一つです。日輪刀の面白い点は、持ち主によって刀の色が変わり色毎に適性も異なってくるところです。
日輪刀とは鬼殺隊に入隊後、玉鋼とよばれるもので作られる刀です。鬼の弱点である太陽の光を吸収することができる特殊な刀で、鬼殺隊に入隊するとき支給されます。
鬼を殺す方法は日光に当てるかこの刀で首を切るしか方法がないため、鬼殺隊は必ず日輪刀を携帯しています。また、所有者が持つことにより刀の色が変化する特性を持っています。
その色により、極める呼吸の系統が決まっていくので、刀の色と呼吸は関係性が深いと言えます。その中でも、炭治郎の持つ黒い日輪刀はかなり特異な刀です。
日輪刀黒刀の特徴
日輪刀の色でどの呼吸を極めるかが重要なポイントとなるそうで、炭治郎の日輪刀は「黒」となっていますが、黒は呼吸の系統がわからない?と煉獄さんからもいわれてしまいます。
黒い日輪刀については、「数が少なくて詳細が分からない。わからなさすぎて出世できない剣士は黒い刃なのだと言われている」と、説明されています。
黒い日輪刀のネガティブなイメージは単に情報が無いからだということが分かります。それどころか、秘められたパワーを持つ刀の可能性が高いのです。
すべての呼吸は「日の呼吸」から派生したもので、この「日の呼吸」の特性を持つ色が「黒」だったのではないか?炭治郎のつけている、日輪が描かれた花札風の耳飾りが「日の呼吸法」の継承者の証とされています。
炭治郎が全集中の呼吸で剣を使うと、水の呼吸をはるかに上回る威力を発揮しますが、反動が強すぎて肉体のほうがついていかない欠点があります。
それほどまでにパワーを秘めた「黒い日輪刀」。
使いこなせる人が今迄ほとんどいなかったんじゃないでしょうか。
炭治郎でさえ、日の呼吸の技の威力に身体がついていかず、もう一方の特性の水の呼吸と資質的に合わず苦労しています。
そのため、炭治郎はディフェンス(防御)に「水の呼吸」、オフェンス(攻撃)に「日の呼吸」を切り替えて使っています。
日輪刀の黒は特別な力があるの?
炭治郎の記憶の遺伝により登場する、炭治郎の先祖が出会った剣士の刀の色も漆黒だったそうですが、戦うときになると燃えるように赤くなると言われてました。
恐らくその剣士は呼吸の始まりとなる日の呼吸を使っていたと思われます。
炭治郎の記憶の遺伝により、黒の日輪刀は作中でもう一人、縁壱のみが使用していた事が明らかになっています。
そして、記憶の中にいる女性が「戦う時だけ赤色になる」との事から、普段は黒で戦闘時は赤色に変化することがわかります。
炭治郎は禰豆子の血鬼術によって刀を燃やし、赤色に変化させているので非常に似通った性質をもっています。
また、炭焼き家の出身なので、黒い炭が赤く燃えるのを連想させます。
おしまいに
1300年の伝統が息づくたたら製鉄の技法でつくった最高級の鋼「玉鋼」から、珍しい黒色の日本刀の展示が、2020年9月19日から11月23日までの日程で「奥出雲たたら展2020」の企画展が開かれています。
興味のある方は是非島根県の奥出雲町に足を運んでくださいね。